21/06/2026
帝国劇場(以下、帝劇)といえば、いずれも蜷川幸雄さん演出の1ヶ月公演。
1984年の『元禄港歌』には俳優として出演し、1988年の『テンペスト』の時は演出助手でした。
未だに帝劇に出演する夢を見ます。
セリフを覚えていないのに、そもそも台本ももらってないのに、舞台に上がる夢です。
何の役だか、自分の衣装を見ればわかりそうですが、夢の中の私はそこまで考えが及びません。
楽屋を出ると、見たことがあるような無いような俳優とすれ違いますが、そのカツラ姿で時代劇と察します。
現実に近隣のマンションの酔っ払いが機嫌よく歌っているのでしょう。
夢の中でも言語が判然としない歌声が聞こえます。
楽屋からは化粧品やタバコの匂いがするはずですが、夢では無臭。
私は無言で舞台へ向かいます。
舞台裏から下手袖へ回ると、海に注ぐ光芒のように舞台上部からの照明が袖幕から溢れてきます。
黒ずくめのスタッフに挨拶するも無視されます。
(礼儀に厳しい世界ですから、実際にはあり得ません)
暗転です。上手から日本家屋のセットがゴロゴロと転がり定位置に着きました。
目を凝らして舞台へ。板付き(舞台上でスタンバイすること)です。
目が慣れると、客席の通路灯が漁火のようで、これは現実通り。
次第に2000人のお客様のシルエットがはっきりしてきます。
不意にスポットライトに狙われました。
セリフを言わなきゃと口を開くその刹那に目覚めるのが、帝劇の夢のパターンです。
不思議なことに、客席から舞台を眺める夢は見たことがありません。
写真は、2018年末、鹿児島県の宝山ホール(鹿児島県文化センター)で舞台演出中の筆者。